忘れ得ぬ一枚:恩師ガブリエル先生と  (北海道医療新聞に掲載)

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向かって右から2番目がDr. Gabriel.向かって右から3番目が著者(橋本).
二人の女性はサンバナディーノ郡立病院で研修中のレジデント.(1997年10月)


 私は平成7年から平成9年までアメリカ・カルフォルニア州に骨粗鬆症の研究のため留学していた.ある時,家内が重度の腹痛に悩まされ,その時受診したドクターが,オステオパシーというアメリカで医師により行われている徒手療法をマスターしており,そのテクニックを用いて家内を治療した.治療は奏功した.

 私は,このオステオパシーというものについて興味を持ち,手元に教科書や資料を集め,独学で勉強した.しかし,医学は独学でマスターできるものではない.本を読んでも,砂をかむように味気ないものであるし,実のところ何がなんだかさっぱり分からないのである.
 そのうち,シアトルの方でオステオパシーの講習会を週末に行っているところがあるというので,3ヶ月に1度くらい通ってみた.このようにしていると,何となくオステオパシーのアウトラインは見えてくるのだが,やはり手の内に入ったという感触からはほど遠い.

 その様な時,講習会でふとしたことから知り合ったのが,ガブリエル先生であった.先生は自分の家から車で30分ほどの所にあるサンバナディーノ郡立病院で勤務しておられ,かつ,レジデントにオステオパシーを教授していた.私のオステオパシーへの興味をお話しすると,快く「週に一度,自分の病院に来て,レジデントと一緒に研修を受けるように」と言ってくれた.そこで,間近でオステオパシーの考え方やテクニックを学ぶことができ,自分の中でオステオパシーに関して何か確信めいたものを得ることができた.帰国する際,丁重にお礼を言い,別れを惜しんだ.再会することを楽しみにしていたが,悲しいことに帰国して2年後訃報が届いた.恩師のご冥福を心から祈る.

伏見啓明整形外科 橋本英樹

近郊の地図

私はLomaLindaに在住していた.Dr.Gabrielは隣町のSanBernardinoで仕事をしていた.

 ちなみに距離を説明すると,例えばAnaheimは有名なディズニーランドのあるところであるが,LomaLindaからこのディズニーランドまでの距離は札幌から旭川までの距離とほぼ同じであるが,広いフリーウエイを行くので約50分で到着する.   →LomaLindaの紹介

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