骨粗鬆症とは |
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まずは目で見る骨粗鬆症.百聞は一見に如かず
骨粗鬆症は最近ではマスコミに広く取り上げられ皆さんも一通りの知識を持っておられることと思います.ここで,骨粗鬆症とは一体何なのか,骨粗鬆症になると何が困るのか,ということをはっきりとさせておきましょう. 骨粗鬆症とは,ひとことで言えば骨の成分が減ってくる病気です.骨粗鬆症になり骨の成分が少なくなってくるとどのようなことになるかと言いますと,骨がもろくなってくるので骨が折れやすくなります.つまり,骨粗鬆症になると骨折しやすくなるから困るのです.
骨粗鬆症で起こる代表的な骨折は・大腿骨頸部骨折 ・脊椎圧迫骨折 ・橈骨遠位端骨折です.それぞれについて簡単に説明しますと,脊椎圧迫骨折をおこすと腰が曲がり背が縮んできます.橈骨遠位端骨折は手をついて転んだ場合に手首の骨が折れてしまうことです.大腿骨頸部骨折は骨折部位から考えてももっとも大変な骨折で痛みも強く,病院で適切な治療を受けなければ,痛みのため体を動かすことすらできず,いわゆる「寝たきり」になってしまいます.また,大腿骨は人間の体で最大の骨ですのでここの骨の骨折は体に対するダメージも非常に大きく,大腿骨頚部骨折を経験した人の10%から20%の人が半年以内に死亡すると言うことが多くの調査で報告されています. つまり骨粗鬆症とは,豊かに老後を送ったり長生きをするという楽しみを奪ってしまう病気であるということが言えます.しかし,これらの骨折の原因はつまるところほとんど転倒によるものですので,不意な転倒を防止さえすれば骨折を予防することは可能です.したがって,骨粗鬆症の治療の最大の要点は転倒する回数を少しでも減らすことにあると私は考えております.転倒を予防するためには体のバランス感覚を向上させなければなりません. 次に,その練習法を紹介いたします(スリー・ステップ ボンボン体操). 写真右・・左大腿骨頸部骨折.受傷時患者さんは痛みのため当然歩くことはできない. |
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